れーわの感想置き場

主に令和ライダーや、時々映画等の感想をつぶやくブログ

第2話「AIなアイツは敵?味方?」感想

みなさん週明けはいかがお過ごしでしたでしょうか。

台風一過、関東では大きな影響が出ていたようで、ちょうど今関東を離れている僕は家が無事かちょっと気になっています。大丈夫だよね…?

 

さて、ゼロワン2話では新ライダーが登場しました。このテンポの良さは鎧武とかエグゼイドを思い出しますね。

それでは前置きはこのくらいにして今週の感想をば。

 

完全にネタバレなので未視聴の方は視聴されてからの閲覧をお勧めします。

 

 

感想

開幕、高級車で送迎され美少女アンドロイド秘書イズちゃんのお出迎えを受ける新社長・或人。羨ましすぎて舌を噛み千切りそうになる。

「まさかお笑いに人生懸けた芸人の俺が社長って!」と巻き込まれ系主人公アピールを忘れないところに好感が持てるが、人生懸けたギャグがあれならおじいちゃんも遺書で社長に任命したくなるわ

そんな或人とイズちゃんの社長ヨイショトークを物陰から眺めていたのは万年副社長(推定)の福添准とその取り巻きズ。秘書のシェスタちゃんの赤いラインの入った服が可愛い。なんとか社長の座から引きずり降ろそうと画策しているようです。んな計略はどうでもいいからもっとシェスタちゃんを映せ

 

初出勤の或人が静脈認証(?)のゲートに弾かれて困っていると、警備員のヒューマギアが駆けつける。或人、変顔で対抗するも顔認証の精度が勝り「社長」と認識してもらえる。警備ヒューマギアと挨拶を交わして堂々とゲートを通ろうとするも再び弾かれる或人にちょっと笑う。狙った芸より素のポカの方が面白いタイプの人間だな、コイツは。

 

さて、視点はディブレイクタウンを根城にするカタカナ濫用集団「滅亡迅雷.net」へ。

「シンギュラリティが起きようとしている…」と配達員型ヒューマギアを盗撮しながらカッコ良さげに呟くが、ここまでこの「しんぎゅらりちー」なる単語についての説明はない。もしかしたら理系の皆さんには常識なのかもしれないけど文系の僕や仮面ライダーのメインターゲット層の小学生には絶対馴染みのない単語なので、ワテクシ、調べてまいりました。

「シンギュラリティ」とは未来学上の概念で、「技術的特異点を意味する単語だそうです。難しい単語がいっぱい書いてありましたが機械音痴の僕はかみ砕いて人工知能が人間を超えるポイント」みたいなもんだと理解しました。

ゼロワンでいう「シンギュラリティが起きる」は、ヒューマギアに自我が芽生える現象のことを指しているとみておそらく間違いないでしょう。最初からそう言えよ滅亡迅雷.net。

「データを回収しろ」「オッケー」というやりとりから、滅亡迅雷.netの目下の目的は単純にヒューマギアを暴走させて人を襲わせることより、シンギュラリティを起こしたヒューマギアのデータを集める事にあるようです。

 

社長室、さまざまな設備にはしゃぎまくる或人に、イズちゃんが伝えた本日のアポ一発目は政府関係者からの事情聴取。もうちょっとマイルドなやつから仕事させてあげようよ。

そのまま間髪入れずに部屋に招き入れられたのは、エイムズ所属の唯阿と不破さん。「内閣官房直属の対人工知能特務機関」だそうです。民間じゃなかったのね。

「取調べ次第では直ちに連行する」と息巻く不破さんだが、平成ライダーファンの7割はこの時点で既に不破さんがネタキャラと化す未来をありありと想像できたと思います。

 

ここでまさかのOPキャンセル。2話でもお預けなの?!

 

CM後。積み荷を降ろしながらすこしニコッと笑う配達員ヒューマギアのオクレルさん。これはシンギュラってますね。

「みぃつけた」と登場する滅亡迅雷.netの行動係・迅。ところで、司令塔の名前は滅くんらしいのですが、あとの亡と雷はのちのち出てくるんですか?

ベルトを巻き付けてハッキングしながら「会社を破壊して♡」とお願いする月曜日の社畜みたいな迅に、腹筋崩壊太郎と同じように「ヒューマギアの仕事は人々を笑顔に」と抵抗するオクレル。抵抗虚しく絶望迅雷.net接続チャレンジに成功してしまいます。

細かいですが、ここで彼は「私の仕事」ではなく「ヒューマギアの仕事」と答えている点で、まだ完全には自我の獲得に至っていなかったことが伺えますね。

 

さて、再び飛電インテリジェンスの社長室。「お前の会社が隠し事をしているのは分かっているぞ」と問い詰める不破さんにリアクション芸人のような反応をする或人。唯阿ちゃんの言う事には、前日の遊園地での事件で主犯となったヒューマギア(腹筋崩壊太郎)の痕跡が残っていなかったらしい。そのため、飛電インテリジェンスによって隠ぺい工作が行われたのではと疑っているようだ。

イズちゃんは「そのような記録は確認できません」とニュースでよく聞くフレーズで応え、或人もそれに乗っかる。まぁ、概ね滅亡迅雷.netの工作と考えられるものの、50t以上の威力の蹴りでベローサマギアを爆砕したのは間違いなくコイツなので痕跡が消し飛んでた可能性もなくはない。

人工知能特別法という法律によりエイムズはヒューマギアによる違反を取り締まる権限を得ていると主張する唯阿ちゃん。その人工知能特別法の第1条が、『ヒューマギアはいかなる理由においても人間に危害を加えてはならない』というものらしい。まんまロボット三原則だが、特定企業の特定製品を指して行動を規制する法律ってなかなかすごいなと思いました。

「ヒューマギアは殺人マシーンだ」とメラメラに怒りを燃やす不破っち。「相変わらずの云々」といったようなこれまでの言動からして、彼にはヒューマギアとの浅からぬ因縁があるようだ。生まれついての二号ライダーである。

 

ピリピリした空気に耐えられなくなった或人は爆笑ギャグを披露すると唐突に宣い、

輝けっ!社長なのに……新入シャイン☆

という新ネタをかまし恥を上塗りした。

これに対し鬼の形相で腕をわなわなさせる不破さんだったが、これまで或人のギャグに対する人々の反応と言えばシカトが基本だったため何気にはじめてのリアクションである。

地獄のような空気の中、救いの緊急警報が。「不審者です」というイズに「俺?!」と答える或人。はじめて或人のボケで笑ってしまい負けた気分になるがやっぱこれも素のリアクションの方が面白いアレである。

 

不審者情報を得て一同がエントランスに駆け付けると、オクレルが社員をなぎ倒し暴れまわっていた。そこに先ほどの警備員ヒューマギアがかけつけ、手慣れた動作でオクレルを制圧する。が、あっさりはねのけられてしまった。

「人間を残らず殺す…!」と逆鷹山仁みたいな物騒なセリフを吐き、クエネオマギアにゼツメライズするオクレル。このゼツメライズ時の、ヒューマギアの内部パーツがどんどんあらわになっていくシーンがすごい怖いなって思う。トラウマになる子供もいるんじゃないかな。

クエネオマギアはなぜか移動していなかった福添副社長らに向かってブーメランを投擲するが、間一髪で警備員ヒューマギアが身を挺してかばう。そのままブーメランは弾かれて建物を破壊。さすがヒューマギアめちゃくちゃ硬いな。

ショットライザーで応戦する不破。と、それをたしなめながらも拳銃で援護する唯阿ちゃん。やはりというか拳銃はマギア相手にあまり効果が無いようだが、ショットライザーはまともにダメージが通っていた。

 

ショットライザーの一撃で床に落下したクエネオマギアへ「変身して畳みかける」とシューティングウルフプログライズキーを構える不破さん。ところが開かない。二段階認証が機能していて感心した

武器の管理権限は唯阿ちゃんにあり、その認証が無い限りキーを使えない仕組みらしい。

一方で、福添副社長らを非難させている警備ヒューマギアの仕事をうんうんと眺めていた或人に「とっとと変身して対処しろ。ただしエイムズに正体はバレないように」とさらっと隠蔽を指示するイズちゃん。

指示通りゼロワンに変身した或人は屋外へ移りつつクエネオマギアと交戦するが、戦闘中に不破さんからの銃撃を受けている間にクエネオマギアを取り逃がしてしまう。

ヒューマギア絶対潰すマンと化した不破さんにヒューマギア認定を下され、誤解を解く暇もなく逃走した或人は物陰で変身を解除し「あっち行ったよ!」で危機を脱する。

 

カッコつけたのに変身できなかったことが不服な不破さんはプログライズキーのロック解除しろと唯阿ちゃんに詰め寄るが、「お前みたいな危ない奴に許可するわけがないだろ」とド正論を放たれてしまう。

不破さんは「エイムズの隊長は俺だ」とパワハラ作戦で食い下がるが、エイムズは唯阿ちゃんが武装指揮権を持っているツートップ組織だったので効果はいまひとつだった。脳筋の危ない奴をリーダーにするときはインテリにも同じくらいの地位を与えるとよいという好例です。

 

会社では、シェスタちゃんたちが「今のはただの防犯訓練です」というかなり苦しい言い訳で騒ぎに対処していた。建物は破壊されてるし本気でぶちのめされた社員もいるのだが、集まっていた社員たちは「なーんだ」というふうに散っていった。お花畑かな?

戻ってきた或人が社内の人々を守ってくれた警備ヒューマギアに礼を述べると、「社員を守るのが私の仕事ですから」と返答する警備ヒューマギアさん。ヒューマギアは誰もかれも仕事に誇りを持っているんだね。。。

警備ヒューマギアに親近感を抱いた或人が名前を尋ねると、警備ヒューマギアは前社長に「マモル」と名付けられたと教えてくれた。マモちゃん…。

それなら俺の家族みたいなものだと、或人はさきほどの戦闘で破損してしまったマモルの腕にハンカチを結び付けた。

このまるで人間みたいな思いやりを受けたマモルは笑顔を浮かべ、その笑顔に機械が例の不穏な検知音を発する。ほっこりシーンのはずなのにTLが「おいやめろ!」の阿鼻叫喚で埋まっていたが、案の定迅がその様子を物陰から眺めていた。マジでやめろ

 

さて、お花畑の社員は誤魔化せてもマスコミはそうはいかなかったらしく、いつの間にか会社には記者がおしかけていた。福添はこれを或人を辞めさせるチャンスと見て糾弾するが、そこに戻ってきた不破さんが或人を呼び出す。

 

昔から変わってねぇなこの会社は。ヒューマギアが殺人マシーンであることを隠し、大勢の犠牲の上に成り立っている腐り切った会社だ

 

彼は街が一つ滅び去った爆発事故「ディブレイク」の生存者であり、しかもその「ディブレイク」の真相はヒューマギアによる大量殺戮事件だったという。窓に張り付く大量の初期型ヒューマギアが「皆殺シダ」と発しながら襲い掛かってくるとか普通にものすごいトラウマなるわね。

これほどの事件にもかかわらずディブレイクは事故として処理され、不破さんは飛電インテリジェンスによる隠ぺいを確信しその復讐のためにエイムズの隊長にまで上りつめていたのだ。

不破は「お前の会社の悪事は全て暴いてやる」と或人に吐き捨てるが、彼は知る由もないとはいえ或人はまだ飛電インテリジェンスの内実を何も知らされていない。それどころか、或人もまたディブレイクの被害者の一人で、事件の際に父親と慕っていたヒューマギアを失っていた

うおぉ、すげぇ伏線。ワクワクするね。

 

さて、逃げていたクエネオマギアが記者をなぎ倒しながら再び飛電インテリジェンスを強襲。もう絶対に防犯訓練じゃ誤魔化せないゾ。

マモルはその場にいた人を守るため果敢にクエネオマギアに立ち向かうが、先ほどの或人とのやりとりで自我を芽生えさせてしまったため迅によりハッキングされてしまう。

 

クエネオマギアのもとへエイムズが駆けつける一方、或人とイズの前には迅とハッキングを受けたマモルが姿を現し、マモルは或人の目の前でエカルマギアに変貌する。

或人はなんとか説得しようと試みるも効果はなく、イズからも「一度データを改ざんされたヒューマギアは元には戻らず、破壊するしかない」と断言される。

 

通常兵器が通用せずクエネオマギアに苦戦する唯阿のもとへは、ついにベルトまで勝手に持ち出した不破さんが現れる。暴走に歯止めがきかない感じが名護さんっぽい。

「今のお前が扱えるような代物ではない」との唯阿の言葉にも耳を課さず、俺がルール理論を振りかざす不破さんがロックの解除手段として選んだのは力づくであった。

この令和という新時代に生まれたSF作品ゼロワンのなかでただ一人だけ腕力でセキュリティなんとかしようとする男。こいつだけまだ平成にいるぞ。

 

或人「ヒューマギアは殺人マシンじゃない。人類の夢だ!」

不破「ヒューマギアは人を傷つける。人類の敵だ!」

 

同じ日、同じ場所で、同じ災害に巻き込まれながら、ヒューマギアに命を救われた或人とヒューマギアに殺されかけた不破の対比がここできっちりと描かれる。熱い。

そしてついに不破さんは腕力でロックを解除。これには唯阿ちゃんも驚愕。

 

腕、足、胴、顔とオマージュ元とされる初期クウガのような変身プロセスを辿り、不破はついに仮面ライダーバルカン シューティングウルフに変身。どちゃくそかっこいいな。

 

或人もまた、マモルを破壊する決意でゼロワンに変身。それぞれ戦闘へ突入する。

バルカンは銃ライダーらしい素晴らしい近接アクションを披露。肘鉄とか銃の構え方とか細かい部分で特殊部隊の訓練を受けている者らしいアクションで、ゼロワンとはまたぜんぜん動き方が違うのがすごく楽しい。

ゼロワンもめちゃくちゃしっかりキック主体のアクションしれくれて嬉しいです。

 

唐突に敵怪人が一般バイクを盗んで走り出したのでゼロワンもサポートマシン投入、なぜスマホみたいな形してるのかは気にしてはいけない

ビルドで見たも禁止だからな!

 

そんでこっからバイクアクションパートなんですが、ここマジで感動してました。久々レベルのかなりしっかりしたアクションで、制作の気合の入れようが伝わってくる。

階段降りから車回避は序の口で、車上バトルでは大きくのけぞりからの車上回転蹴り、さらに蹴り。見てくれとしか言えないけどよくぞやってくれた!って気持ち。これもクウガリスペクトの一環か?

 

バルカンの、ブーメランを回避しながら銃撃する戦闘シーンもとにかくカッコイイ。ゼロワンのバトルパート見ごたえしかねぇな

 

とどめを刺す直前、マモルだったヒューマギアを思い出し泣き叫ぶような声でキメ台詞を叫ぶゼロワン。ちょっと待ってまだ2話だぞ。アフレコ上手すぎんか?

ゼロワンはライジングカバンストラッシュを放ち、エカルマギアを撃破。

バルカンもバレットシューティングブラストを撃ち込み、クエネオマギアを倒した。

今まではライダーの技名はなにかしら検索しないと分からないことが大半だったんだけど今作はすごい分かりやすく画面に書いてくれるので助かりますね。ちょっとダサいけどそれも良いところだよね。

 

クエネオマギアを消し飛ばした弾丸はコンテナをいくつもぶち破り、その風穴越しにゼロワンとバルカンが目を合わせる。不破さん的にはゼロワンは2回目だけど或人はバルカン初見なのでたぶん困惑したのは或人の方

ライバル同士の顔合わせって結構大事なシーンだと思うんですけどこれ最高にカッコいい演出だと思います。やられたわ。

 

翌日。

流石に今回の大騒動では記者会見が開かれ、福添副社長が記者からの追及をかわしていた。「現段階では何もお答えできません」と言い放ち記者からはヤジが飛びまくるが、福添副社長は表情を全く変えていない。演じる大嶋さんがお笑い芸人だということやここまでのコミカルな扱いでネタキャラとの先入観があるが、彼は彼でこの大企業で副社長にまで上り詰めた人材なわけだし、十分に腹芸のできる人間なのだろう。

 

紛糾する記者会見に現れた或人は、「事実です」とヒューマギアの暴走を認め福添の代わりに発言台に立った。

ってかここでオープニング流す?!なるほど?!

或人はおそらくイズの録画データを公開し、事件の主犯が滅亡迅雷.netであることを公表。事件の真相は滅亡迅雷.netによるハッキングによって引き起こされた人為的なものであり、ヒューマギアは悪くないという立場を明らかにする。

その会場の警備にあたっていたヒューマギアの右腕には、かつてマモルに送ったようにンカチが巻かれていた。

 

そして、ついに決意に満ちた或人自身の口から「飛電インテリジェンス代表取締役社長」との肩書きが述べられる。おお、名シーン…!

 

記者ヒューマギア「お笑い芸人のあなたが社長に?」

おいバカやめろ振るな

 

しかし制止する視聴者の声もむなしく「しかたねぇなぁ」みたいなむかつく表情で演説台の前に出てきた或人は「輝け!社長なのに新入シャイン☆」を披露する。

しょーもない上に使いまわし。補佐するイズちゃんが可愛かったから許すけど。

 

当たり前のように会場の空気は氷点下にまで下がり、反応は「無」。無です。

先ほどの記者ヒューマギアもゴミを見るような表情で固まっていたけど、流れを作ったのはお前ですと言いたい。

 

……だが、一人だけギプスで固定した腕を振るわせ全力で笑いをこらえている男がいた。

不破さんである

 

ディブレイクタウン出身者は笑いの感性がおかしいのか?

 

例のごとくイズちゃんにギャグを解説される或人の絶叫をバックにスタイリッシュに立ち去る不破さんで2話終了。

 

まとめ

1話に引き続き、内容もりもりの第2話でしたね。

或人もディブレイクを経験していたり、重要な伏線がつまっていた回だったと思います。また、滅亡迅雷.netとの最初の接触や、或人が社長を引き受ける本当の意味での決意をするなど物語もしっかり動き始めました。

 

今回はマモルという、主人公目線でも(ほんの僅かな時間とはいえ)しっかり交流のあったヒューマギアがマギアに変貌した点が1話と大きく異なります。

そのため、或人も「破壊するしかない」という事実にはショックを受けており、必殺技で破壊する際も悲しみと怒りのまじりあった叫びを発しています。

その結果として或人はヒューマギアが悪くないということを証明し、ヒューマギアを悪用する滅亡迅雷.netを倒すため飛電インテリジェンス社長を引き継ぐ決意を固めました。

 

そんなわけで、今回の構図としては「ヒューマギアのために戦う」或人と「ヒューマギアを破壊するために戦う」不破とに分かれた形になりました。

とはいえ、これまでの描写を総合すると、アルトはヒューマギアを「家族みたいに大切に思う」ことはできるものの、人間とははっきり区別しています。

例えば、第1話では「AIに人間のお笑いは理解できない」と断言していますし、第2話でも破壊したマモルと別個体であるはずの警備ヒューマギア(初心者マーク付)にマモルと同じようにハンカチを結び、言ってしまえば代替品で納得する形をとっています。

マモルを破壊しなければならないという現実に対しても、悲しんだり怒ったりはしているものの、躊躇する描写はありません。いうまでもなく、少なくとも現在の彼にとって「人の安全」と「ヒューマギアの無事」は天秤にかけるまでもない問題だからでしょう。

(もちろん、積み重ねたものの量がまだまだ少ないというものあります。マモルとは実際は短い会話を交わしたに過ぎないですし、腹筋崩壊太郎とは直接の面識はありません。今後たとえばイズがマギア化するようなことがあったとすれば、さすがに躊躇することはあり得ます)

 

現時点ではヒューマギアに自我が生じはじめているという問題について或人は知らないため、これもまた普通の反応といえるかもしれません。

今後、或人がヒューマギアに自我が生じていることを知った時、これを脅威ととらえるのかどうかも注目して観ていきたいところですね。

 

さて、バルカン変身前に唯阿ちゃんが「お前に扱える代物ではない」と言ってたわりに普通に戦えてたので「ん?」と思っていたら、ラストではしっかり腕を吊っていたのでバルカンのシステムはかなり負荷が大きいもののようです。銃を下したシーンで実は右手折れてたと思うとちょっと面白い。

 

次回は寿司職人ヒューマギア登場。

ヒューマギアに心はあるのか?という物語の大きなポイントについに踏み込む…?

 

 

ここまでの勢いは完璧ですね。

次回も楽しみです!

第1話「オレが社長で仮面ライダー」感想

ついに始まりました、令和仮面ライダーシリーズ第1作。ゼロワン。

ジオウOQと最終回を経て平成がやっと終わった皆さんにおかれましては待ち焦がれていたのではないでしょうか。

 

それでは、前置きはこの程度にして第一話の感想です。

今回は第一話でめちゃめちゃ細かい伏線や説明描写も多かったので、できる限り全部のシーンを追っていきますよ。

 

 

感想

いいよコレ!すげーいい!

年号が変わり、時代が一新されたタイミングにピッタリなSFチックな世界観と、30分の短い時間の中にこれでもかと情報を詰め込み倒した1話。

バッタモチーフの主役ライダーで「原点回帰」を図ったとも言われてましたがぜんぜん攻めてますよコレ。

 

冒頭、企業のプロモーション風の映像とともに「人工知能搭載型ロボ ヒューマギア」に関する設定の解説からスタート。

アイロボットよろしく大量に並んだ次世代アンドロイドが、未来の印刷技術(?)で普通の人間と見分けがつかないような見た目の『ガワ』をかぶせられていく。

すごいね、SFだね。

ただまぁ、ヒューマギアは耳の部分にものごっつい機械が飛び出しているので外からの見分けは楽勝です。

通信衛星ゼアによって制御された云々、という将来的に衛星がハッキングされたりマザーコンピューターが暴走して大騒動になるフラグをしっかり立ててくれた。

このヒューマギアが様々な職業を担ってくれることを「新時代の働き方の新たな価値」と表現していたけど、実際問題こんな高性能アンドロイドが社会にばらまかれたら雇用が激減して貧困層が増えるなんてことにはならない…?

 

とかなんとか言っていると、良い笑顔でコマーシャルを締めていたお爺ちゃん社長の死亡ニュースに。こういう大物が最序盤で死ぬのは後々実は生きてたり再現AIを残していたりと言った形で復活するフラグです。俺は詳しいんだ。

 

ここで伝統的「遅刻だ遅刻!」パターンで主人公が登場。移動目覚まし(?)を5個かけていたらしい。未来発明品の名前をさらっと出しやがる。

そして空を飛ぶ謎の機械とHIDENインテリジェンスの超高層ビルで少し変わった未来の大都市をバックに「仮面ライダーゼロワン」のタイトルロゴがドーン。最近は第1話でOP流れないパターンが増えてきたので来週が楽しみですね。

 

CM明け主人公が駆け込んだのはなぜか遊園地。ダンディ坂野の2Pカラーみたいな服装でお笑いフェスティバルに登場する主人公。

令和最初の仮面ライダーはお笑い芸人でした。正気か?

開幕狂ったようなテンションの自己紹介からのミリも笑いどころの分からないAI漫才を繰り広げ老人カップルの「あーん♡」を視聴者に見せつける苦行を課してくる主人公。

2秒後にクビにされます。テンポいいな。

支配人が言うには「お前よりヒューマギア芸人の方が面白いからもうイラネ」とのこと。

上の方で心配していたヒューマギア失職の第一号がもう現れてしまった…。

 

ここで登場したのが今回のキーパーソン腹筋崩壊太郎

彼については最後に詳しく掘り下げて考察しますが、一つだけ言わせてください。

OQ作ったとき会議室で焚いてたハーブ抜けきってないだろ。

 

人工知能に人間のお笑いは理解できないでしょ」と自分もお笑いの何たるかを理解していないのに冷静に突っ込む主人公の眼前で大声でよくわからない単語を叫びながら腹部をパージするというそこそこ強引なネタで満員の客から大爆笑を取る腹筋崩壊太郎。

ネタ自体は一発屋芸人のソレだが、アルトのときにはすっからかんだった会場が埋まっているあたり固定ファンもかなりついているようだ。

大爆笑の会場を眺め「みんなが笑顔で幸せになれる遊園地」という夢を語る支配人。良い人そうであるが、「俺の夢のためにお前は必要ない」と経営者らしい冷酷な面を見せたところで場面転換。

 

その頃。

飛電インテリジェンスでは副社長が「いよいよ俺が社長となる時が来た」と権力欲をありありと見せつけ、

デイブレイクタウンと呼ばれる隔離されているようなエリアでは滅亡迅雷ネットというテロリストたちが「マギア作戦」を実行に移そうとしていた。

マギア作戦とは、ヒューマギアシンギュラリティを利用して人類を滅ぼす作戦らしい。

急に用語が連発されて混乱したが、たぶんそのうち全部説明されると思います。

要は自我が芽生えたヒューマギアを暴走させて人間社会へ侵攻しようということらしく、デイブレイクタウンは過去に同様の攻撃によって滅び去った街らしい。

そして飛電の研究施設では、衛星ゼアからの命令を受け「ゼロワンドライバー」が作成され始める。その研究施設で待機していたのは少女型ヒューマギア。

こういう、「特別な命令を受け来たる時を待ち続けている」っていうシチュエーションがなかなか少年漫画チックで大好きなんですが、分かっていただける方は僕と握手だ!

自称爆笑ピン芸人という令和開幕に相応しい罵倒を浴びせながら主人公の前に現れる謎のヒューマギア少女・イズ。彼女は社長秘書を務める特別なヒューマギアだった――。

 

場面が変わり、舞台裏で待機している腹筋崩壊太郎のシーン。ここは表情の変化とか含めてめちゃめちゃ情報が詰まっているのですが、後でまとめて語るとして端的に説明すると、このシーンで腹筋崩壊太郎には自我が芽生えてしまう。

しかしそのせいで滅亡迅雷に目を付けられてしまい、ヒューマギアを暴走させ怪物へと変貌させるキーを受け取ってしまうのだった……。

 

さて、前社長の孫だったアルトは、飛電本社に呼び出され、そこで驚くべき内容が記された前社長の遺書を読まされる。

この遺書の内容を要約すると、

・これからヒューマギアが悪人の手で暴走し人を襲い始めるよ

・対抗手段は社長にのみ使用権限のあるゼロワンだけだよ

・社長には孫のアルトを任命するよ

である。

この内容にブチギレの会社役員たち。なぜかキレていたのは「同族経営で会社を私物化する気か!」と三番目の孫を社長に任命するという部分についてだけだったが、

 

自社製品に暴走リスクがあって人を襲いますなんて企業へのダメージは尋常じゃないはずだがそこはいいのだろうか。こんなタイミングなら社長就任なんか御免被りたいんだけど。

 

しかし、アルトは社長就任を固辞。彼はお笑い芸人として人を笑顔にする夢があるのだ。

その夢のきっかけになったのは事故で失った父親を笑顔にさせてあげることができなかったというかつての記憶だったが、この父親として接していた相手は人間ではなくヒューマギア(耳のパーツが現代型とは違うので初期型?)。どういうことなの…?

 

(たぶん)クビの撤回を求めて遊園地に戻ったアルトだったが、大爆笑の会場とそれを満足げに眺める支配人を見て、何も言わずに立ち去ろうとする。

ところが、そのタイミングで会場でトラブルが発生する。暴走した腹筋崩壊太郎が「人間を滅亡させる」と宣言。ベローサマギアへ変貌し、付近のヒューマギアも暴走させて人を襲い始めたのだ。

少し離れた場所ではA.I.M.Sと呼ばれる特殊部隊が暴走ヒューマギアの制圧に乗り出していたが、その間にも遊園地はどんどん破壊されていく。

絶望する支配人を締めあげて高笑いする腹筋崩壊……ベローサマギアに、主人公は「人の夢を笑うな」と激昂。ドライバーを渡しに来たイズからベルトを受け取ると、指示に従って装着。

と、ここまでよくあるベルト入手の流れで、ここからは主人公が「初回なのに戦い方が何故か何となくわかる」というお約束が始まるのですが、さすがはゼロワン一味違った。

ベルト装着と同時に主人公の脳が衛星ゼアの思考回路に無線接続され、思考速度が人工知能並に加速された状態となり、数瞬の間でチュートリアルを行いマニュアルを頭に叩き込む……というSFっぽい理由付けをかましていく。いいぞ!

時間を一秒も無駄にすることなく2号ライダーフラグを立て、ラーニングを終えた主人公はゼロワンへ変身!

戦闘シーンについてはちょっと割愛しますが、ライジングホッパーは脚力を強化した姿らしく驚異的なジャンプ力と強力なキックで敵を撃破する。細かいんですけど戦闘中のバスの「とまります」とか、細かいSEの使い方が臨場感を盛り上げててよかった。

 

破壊されたクローサのキーは滅亡迅雷により回収され、アルトはゼロワンドライバーをその場の勢いで使用した結果「社長」になってしまう。

なんとか断れないかとイズに懇願しようとするアルトだったが、「遊園地やめちゃうの?」と尋ねる子供たちと「お客様に笑顔を届けるために遊園地を続ける」と答える支配人の笑顔を見て、「こういう形で笑顔を届けるのもアリなんじゃない?」とイズに説得されゼロワンの役割を引き受けることを決意する。

この場面、支配人はアルトがゼロワンに変身する姿をバッチリ観てるんですが、「謎の黄色いヒーローが助けてくれた」と秘密を守ってあげようとするセリフが良いですよね。

社長専用のデバイスを受け取り、しみじみと社長になった現実をかみしめながら

 

信じられないくらいつまらんダジャレを主人公がかまして第1話終了。温度差で風邪ひくわ。

  

考察

ゼロワン=アルトについて

様々な伏線が用意されていた1話ですが、やはり最も気になるのは主人公アルトと飛電インテリジェンス前社長が秘密裏に開発していたゼロワンの存在でしょう。

滅亡迅雷Nの言葉通りなら、過去にはデイブレイクタウンはヒューマギアの暴走にって壊滅的被害を被って水の底に沈んでいるわけですが、そんな大事件が起きていながら普通にヒューマギアが全国各地で利用されているからには、デイブレイクタウンの事件は表沙汰になっていないのでしょうか?

そして飛電前社長はどうも滅亡迅雷Nの存在を知り、その工作活動を阻止しつつ自らの死後にヒューマギアから人間を守るためイズやゼロワンの準備をしていたわけですが、はたしてこれらが単純な正VS不正の関係にあるのかは疑問の余地があります。

飛電インテリジェンス側としてはリスクあるヒューマギアという製品により人的被害が発生することを予見していながらなんらかの理由で公表していなかったと言えるからですね。

 

主人公であるアルトについても、一見すると寒いギャグを連発する若者ですが、

父親として接していたのがヒューマギアであったり。

名前がHidden(隠された) Alto(最初期の試作コンピューター)であったり。

ゼロワンの機能であるにせよ、衛星と無線接続してラーニングを行ったり。

社長の孫なのに会社役員が誰も彼の事を知らなかったり。

「AIにwwwお笑いとかwww」と言いつつ本人のギャグがクソだったり。

とまぁ不穏な伏線が1話からてんこ盛りだったりします。一応アルトが出血しているシーンがある事から彼がヒューマギアだという可能性は低いと考えられますが、彼に関する重大な秘密があるのは間違いなさそうですね。

 

腹筋崩壊太郎について

命名センスが春映画ノリですが、放送終了直後彼の名前がTwitterでトレンド入りしたのは記憶に新しいと思います。

これはほんの短い登場シーンにもかかわらず彼の死が視聴者に大きなインパクトを与えた結果なのですが、これは「腹筋崩壊太郎」というキャラクターが仮面ライダーゼロワンという物語の根幹にあるテーマに迫っていたからなんじゃないか、と思われます。

 

腹筋崩壊太郎=ベローサマギアは仮面ライダーゼロワン最初の敵であると同時に、令和ライダー最初の敵でもあります。要は立ち位置としてはクモ男やズ・グムン・バと同等であり、作品の象徴としての役割も持たされているわけです。

 

腹筋崩壊太郎に自我が芽生えたシーンで、AIらしく無表情のまま過去のお笑いステージでの観客の反応を再生し確認していた(おそらく作業としては、ネタに対する観客の反応からウケるネタを分析するというもの)ところ、笑顔の人々の情報を反芻するうちに自然と自分の表情も笑顔になっており、それに戸惑う表情を見せるという流れがあります。

この無表情→笑顔→戸惑いという3つの表情の変化だけでセリフすらなく、短時間で彼の内部で何が起こっているのかを表現するやり方がめちゃくちゃ上手い。

直後に彼はテロリストによってハッキングを受けて暴走させられてしまうのですが、最後の最後まで「私の仕事は人を笑顔にすることだから」と抵抗を試みるも、再び無表情のAIに変化し人を襲うようになってしまいます。

これ以降の彼を腹筋崩壊太郎ではなくベローサマギアであると定義するならば、

腹筋崩壊太郎が登場しその変化が描写されているシーンの尺は1分程度。

変態的な情報の密度ですよコレ

 

何より、この腹筋崩壊太郎に自我と「人を笑顔にさせる仕事がしたい」という夢が芽生え、最後までハッキングに抗うも暴走させられてしまうという悲劇は舞台裏で行われたものでしかないためアルトを含める人間の誰にも伝わっていません。

その結果、アルトはベローサマギアにこういう風に台詞を投げかけることになります。

 

「笑うなよ。何もわかってない癖に人の夢を笑うんじゃねぇよ!人の夢ってのはな、検索すれば分かるような、そんな単純な物じゃねぇんだよ!」

 

本来であれば名台詞なのですが、上述の腹筋崩壊太郎側の事情を知っている視聴者にとってみると、「ん?」となる部分もあるのではないでしょうか。

考えてみると、当初からアルトは「AIに人間のお笑いは理解できない」と考えていましたし、この発言でも夢を持つのは人間だけであるという大前提をもっています。

これは別にアルトが間違っているというわけではなく、一般人が普通持っている感覚でしょう。

ゼロワンがベローサマギアを破壊した後も、子供たちが心配しているのは支配人が遊園地をやめてしまうかどうかであり、腹筋崩壊太郎が破壊されたことを気に掛けるキャラクターの描写は全くありません。

繰り返しになりますが、この登場人物の反応は自然です。

お笑い芸人ロボットのAIが暴走して人を襲ったので処分された、という事件の顛末に対して、「でもあのヒューマギアだって人を笑顔にさせるために頑張ってたよな…」と感傷に浸る方がどちらかといえば異常な反応と言えなくもありません。

 

では、Twitterで腹筋崩壊太郎について大騒ぎした視聴者とゼロワン世界の一般人とで何が違うのでしょうか。答えは既に書いてある通りで、我々視聴者は腹筋崩壊太郎に起こった出来事や彼に自我があったことを知っているということ、即ちAIに自我が芽生えるという可能性を与えられているということです。いわば、我々は仮面ライダーゼロワン視聴後の人間であり、ゼロワンに出てくる人々は視聴前の私達と言い換えることができます。

ほんの1分程度の腹筋崩壊太郎と言うキャラクターの描写を通して、人がAIを見る目の差をまざまざと見せつける、そういった演出の工夫が腹筋崩壊太郎ロスという反応へつながったのだと思います。

ゼロワンの今後の展開がどうなるのかは分かりませんが、少なくともAIにも自我が宿るという現実を人々が突きつけられるシーンに向けて第1話では着々と準備が進められていたという印象を受けました。

 

 

第2話は社内権力闘争。副社長は権力欲の副官ポジとして終盤まで使われそうですが、あんまり長々とアルト社長で良いの?みたいな話をやるとも思えないのでアルト社長就任を認めさせる形でまとめる話になりそうですね。

次週も楽しみです!

 

 

腹筋崩壊太郎って書き過ぎてなんだかよくわからなくなってきた。